Webサイト制作事業を手掛けるロフトワーク(東京都渋谷区)は2009年1月28日、企業のCMS(コンテンツ管理システム)活用をテーマにした無料セミナー「導入企業の実話から学ぶ! CMS導入成功の秘訣」を東京都内で開催した。大阪ガスなどのユーザー企業が、CMSを導入する上での比較選定のポイントや課題といったノウハウを披露した。

デザイン・インターフェースの統一で直帰率が半減

 運用フェーズをメーンテーマにしたセッションではまず、パソコン周辺機器の製造・販売を手掛けるアイ・オー・データ機器の開発本部広報宣伝部Webマーケティング課課長の山崎義彦氏が、「数万点の製品カタログとしてのWebツール~運用フェーズ~」と題して、CMS導入による運用での課題や、成果について講演した。

写真1●アイ・オー・データ機器の開発本部広報宣伝部Webマーケティング課課長の山崎義彦氏

 同社は数千あるページを「手作業で運用する限界を感じた」(山崎氏)ことをきっかけに、2008年8月にトップページと現在流通している製品の情報ページにCMSを導入した。

 まず初めに山崎氏は、CMSを運用する上で直面した課題について説明。アイ・オー・データ機器ではそれまでWebサイトを運用する上で、新製品の情報につけた「New」のアイコンを、情報のアップロードから3カ月たったら取るといったさまざまな運用ルールを持っていた。ただ、それらのルールをすべてCMSに組み込んだところ、CMSに負荷がかかりすぎて、処理できない状況に陥ったという。そうした課題を解決するために、運用ルールの簡易化を行ったと説明。CMSを導入する上では、負荷を考慮して業務フローの改善も視野に入れるべきとした。

 CMS導入に当たっては、グローバルナビゲーションやローカルナビゲーションを設置して導線を共通化した。その結果、導入後3カ月で全体のページビュー(PV)が25%向上。直帰率は5%減少したと、成果について説明した。