写真●携帯電話のディスプレイに組み込んだmofiriaの認証ユニットを使った認証デモ
写真●携帯電話のディスプレイに組み込んだmofiriaの認証ユニットを使った認証デモ
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 大塚商会とインスパイアは2009年2月2日,ソニーが開発した指静脈認証技術「mofiria」をベースとしたBtoBサービスで協業すると発表した。大塚商会がmofiriaを利用したシステム構築やASPサービスを開発し,インスパイアがASPプラットフォームの開発と導入コンサルティングを担う。

 mofiriaは同日ソニーが発表した新しい指静脈認証技術(発表資料)。LEDを光源とする近赤外光を指静脈に当て,その散乱光をCMOSセンサーで撮像する反射散乱方式を採用している。反射散乱方式では,光源とセンサーを同一平面に配置できるため,認証ユニットを小型化できる。発表会では,携帯電話のディスプレイに組み込んだmofiriaの認証ユニットを使って指静脈を認証するデモが披露された(写真)。

 指静脈認証は,指紋などほかの生体認証技術と比べて認証精度が高いが,大型の読み取りユニットが必要になるなど,気軽に利用するには課題があった。mofiriaの登場で認証ユニットの小型化や認証の高速化が可能になり,パソコンや企業システムへのログインなどで,指静脈認証の適用範囲が拡大すると大塚商会では見込む。たとえば大塚商会は,mofiriaとWindowsのディレクトリ・サービスである「Active Directory」とを連携させて,オフィスへの入退室や,IT資産へのアクセス,ログを一括管理するID統合サービスの提供を予定しているという。また,警備会社と連携してホーム・セキュリティ分野でのサービス展開も計画している。