電通は、2月2日よりインターネット広告子会社サイバーコミュニケーションズ(cci)の株式公開買い付け(TOB)を実施し、出資割合を47%から100%に引き上げる方針を発表した。cciは東京証券取引所で上場廃止になる見通し。

 電通はインターネット広告市場の競争激化に備え、cciを中心に新技術の開発などを進め、中長期的に競争力を強化する計画。同計画は、cciが上場企業として求められる各期利益の最大化という短期的な課題とは両立しにくいと判断し、完全子会社化を決めたという。cciの取締役会は電通によるTOBに賛同を表明している。

 TOBは3月16日までの期間、cci株1株につき4万2500円で実施する。これは1月29日までの過去1カ月間における市場終値の平均を約2.3倍した額。買い付け予定数に下限や上限は設けず、応募分はすべて買い取る。取得金額は119億8831万円を見込む。TOBに応じないcciの株主に対しては、TOB終了後に電通株と株式交換する予定。

 またcciは1月30日、2009年3月期の業績予想を下方修正し、最終損益を13億円の赤字とした。従来予想では赤字額は11億2000万円だった。流通マーケティング子会社インストア・コミュニケーションズとイベント企画子会社スリーピーの株式を2月2日に売却することを決め、2社が連結対象から外れる影響を織り込んだ。

■関連情報
・電通のWebサイト http://www.dentsu.co.jp/
・サイバー・コミュニケーションズのWebサイト http://www.cci.co.jp/