テレビ朝日の君和田正夫社長は2009年2月2日,アナリストや機関投資家を対象にした2008年度第3四半期(2008年4月~12月期)決算説明会で,2009年度に年間ベースの番組制作費を100億円以上削減する意向を明らかにした。

 テレビ朝日は現在,2009年度の予算編成作業を進めている。具体的な2009年度の番組制作費の金額については,「700億円台に入ってくるのではないか」と述べた。君和田社長は,「テレビ局の最大の財産である番組の制作費の削減については大変苦しい判断を迫られた」という。

 さらに君和田社長は,「これからの厳しい競争に打ち勝つ方策を一日も早く実行することを前提に,今後2年間を『改革断行期間』と位置付けて,経費や組織,業務といったすべての分野の徹底的な見直しと効率化を行う」と明かした。さらにコンテンツを軸にして,収益機会の拡大を模索する方針だ。

 なおテレビ朝日は,新中期経営計画(2007~2011年度)の数値目標を一時取り下げた。同社は,経済の低迷による広告市況の急激な落ち込みや,スポンサーのニーズの変化などが,新中期経営計画に大きな影響を及ぼすとみている。ただしどの程度の影響が出るかについては,「先行き不透明な環境の中で収益予測が非常に立てにくい」として,現段階で具体的な数値を示すことを見送った。