野村総合研究所は2009年1月29日、2009年3月期の通期業績予想を修正すると発表した。連結売上高を前回発表時(2008年10月24日)から100億円低い3400億円に下方修正した。2009年3月期の通期業績予想の下方修正は今回で2度目となる。

 期初の2008年4月24日に公表していた業績予想値は売上高が3600億円、営業利益が530億円だった。10月24日の第2四半期決算発表時には売上高を3500億円、営業利益を480億円に下方修正。今回の下方修正によって、通期の売上高と営業利益が減収減益となる可能性が濃厚になった。

 世界的な金融危機の影響を受け、特に主力の証券業向けの売り上げが不振。「半年前、3カ月前に経営陣が考えていた以上に非常に厳しい状況だ」と、室井雅博 取締役専務執行役員はアナリスト説明会でコメントした。

 今後の見通しについては「証券業界が予想以上に厳しくIT投資マインドはさらに悪化する」(室井専務)とみる。ユーザーは新規の開発案件に対して不要不急な投資を避け、投資するにしても規模を縮小したり時期を延期したりする姿勢が鮮明になっている。このため同社は外注費や販管費、研究開発費などを見直し、コスト削減を徹底する方針だ。

 同社がこの日発表した2008年4~12月の連結決算は、売上高が前年同期比0.6%増の2512億800万円、営業利益が同4.7%減の373億2200万円と増収減益だった。同日に第3四半期決算を発表したIT企業では、JBCCホールディングス、住商情報システム、日本システムディベロップメントも通期業績予想を下方修正している。