スター・チャンネルなど東北新社系のCS放送事業者は2009年1月29日に,次期BS参入あるいは東経110度CSを利用した高画質なハイビジョン放送の展開に向けて,画質評価の室内実験を実施した(写真)。
今回の実験は,いわゆるフルHD(1920×1080画素のハイビジョン)あるいは1440HD(1440×1080画素のハイビジョン)に必要な符号化データ速度を客観的に評価するために実施した。符号化と復号化を行った映像と原画(符号化していない映像)からなる10分間のコンテンツを12本作成した。このコンテンツでは,符号化と復号化を行った映像と原画が交互に表示される。最初にどちらが流れるかは,シーンによって異なる。今回の実験では,約20人のモニターを対象に,各シーンにおける二つの映像がどの程度高画質に見えるかを調査した。
フルHDの映像については,符号化データ速度を14.5 Mb/s,16 Mb/s,18 Mb/s,20Mb/sと想定して符号化を行い,それぞれの映像を実験に使用した。1440HDについては符号化データ速度を11 Mb/s,12 Mb/s,13.5 Mb/s,14.5Mb/sと想定した映像を実験に使用した。スター・チャンネルらは2009年1月30日に,本日とは異なる方式の画質評価実験を行う予定だ。
スター・チャンネルは,次期BSに向けて1本のトランスポンダを利用して3チャンネルのハイビジョン放送を計画している。具体的には,48スロットのうち22スロットを利用していわゆるフルHDの放送を展開し,残る26スロットを利用して2チャンネルの1440HD放送を提供することを目指している。今回の実験は,次期BS放送の申請に向けて,最も効率良く視聴者にハイビジョン番組を届けるための技術関連仕様の確認を主目的としている。