KDDIは2009年1月29日,携帯電話の春モデル全12機種を発表した(写真1,写真2)。3D液晶を搭載した「WooケータイH001」(日立製作所製)やau初となるタッチパネルを搭載した「CA001」(カシオ計算機製),音楽機能に特化した「Walkman Phone, Premier3」(ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ製)など特徴的な機種をそろえた。1月下旬から順次発売する。
KDDIは,2008年10月から12月にかけて,3カ月連続でMNPの転出超過を記録するなど,かつての勢いを失っている(関連記事)。そんな中,久々に端末発表会に顔を出した同社の小野寺正社長兼会長は,「今年はauらしさを回復していく1年にしたい。今回はその第1弾」と,春モデルにかける意気込みを語った。
WooケータイH001(写真3)は,3.1型のフルワイドVGA液晶画面にメニュー画面や写真,ゲームなどを3D表示可能。CA001(写真4)はタッチパネル機能を生かして,ピアノやスティール・ドラム,マラカスなど世界の楽器を画面上で演奏できるアプリケーションを内蔵している。このほかユーザーに長く使ってもらうことを目的に,シンプルな機能とデザインを備えた「New Standard」という名前の新端末ラインアップも2機種そろえている。
端末販売台数が2割から3割減少する中で12機種のラインアップをそろえた理由について,小野寺社長は「ユーザーの様々なニーズに応えるために特色を持った機種をそろえる必要があった。需要を喚起する上でも,このくらいのラインアップ数は必要」とした。春商戦に向けた料金施策については「分離プランも浸透し始め,当初見られた店頭でのユーザーの混乱も落ち着いてきた。現在はサービス料金には問題を感じていない」(小野寺社長)とし,現時点で新たな料金施策を投入する意向が無いことを示唆した。
なお同社は,今回の春モデルから型番のルールを一新している。型番を変えた理由について,同社の長島孝志コンシューマ商品企画本部長は「今回の“New Standard”のように新しい使い方を提案する端末は,型番の番号だけでなく分かりやすい名称も併せて付ける必要が増えていくと考えている。そのため今回から型番のルールを変更した。その端末の使い方を表す名称と型番をセットにして,ユーザーに使い方を訴求していきたい」と答えた。
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