米Gartnerは米国時間2009年1月28日,マイクロプロセサのチップ当たりのプロセサ数が倍増していくにつれ,現行のソフトウエアではそれらのプロセサ能力を十分に引き出せなくなる可能性が高まると警告した。また企業は,ソフトウエアが最新プロセサの能力を引き出せるように,新しいバージョンやOSへの性急な移行を余儀なくされるという。

 Gartnerによると,マイクロプロセサは平均で2年ごとに世代交代し,そのたびにチップ当たりのプロセサ数が2倍になる。また,それに従い,ソケット当たりのプロセサ数も倍増する。例えば,2009年時点で,各ソケットに8コア・チップを搭載した32ソケットのハイエンド・サーバーのプロセサ数は256だが,2年後にはこれが512に倍増し,4年後には4倍の1024に達する。

 これらすべてのプロセサを活用するソフトウエアの能力には限界がある。Gartner副社長兼アナリストのCarl Claunch氏は,「現在の仮想化ソフトの多くは,64プロセサでさえもすべて利用しているわけではない。ハイエンド機の1024プロセサをすべて活用することなど不可能だ。データベース管理ソフトやミドルウエア,アプリケーションについても,拡張性の面でそれぞれ限界がある」と指摘する。

 サーバーで稼働するソフトには,ハードとソフトの両面で,効果的に処理できるプロセサ数に限界がある。ハード面の限界は,製品のベンダーや開発元が公開していることが多いため,比較的把握しやすい。これに対し,ソフト面の限界を知るには実際の事例に頼るしか方法がない。また,ソフトの限界はハードに比べて低いことが多い。