チップ・メーカーの仏伊合弁のSTMicroelectronicsはスイスで現地時間2009年1月27日,2008年第4四半期と通期の決算を発表した。

 第4四半期の売上高は22億7600万ドルで前年同期の27億4200万ドルに比べて17%の減収。純損失は3億6600万ドル(1株当たりの損失は42セント)で前年同期の純利益2000万ドル(1株当たり利益は2セント)から赤字に転じた。粗利率は36.1%で,前年同期の36.9%から0.8ポイントの低下。買収関連の経費などを除いた場合,粗利率は37.5%となり,前期の37.7%から0.2ポイントの低下となった。

 同社は2008年11月,出荷額の減少や顧客の需要低迷などを理由に,第4四半期の業績が従来見通しを下回ると発表していた(関連記事)。10月28日時点では,売上高をして前期と同等から最大8%減収の範囲を予測していたが,減収の範囲を12.8~18.4%に引き下げた。また,粗利率の予測値も37~39%(従来の予測値は約38.8%)に下げていた。

 同社社長兼CEO(最高経営責任者)のCarlo Bozotti氏は次のように述べている。「発注の延期およびキャンセルの増加や,需要の減少が進み,当期の売上高は修正した予測値の中間となった。すべての製品分野がマイナス影響を受けたが,特に自動車,無線,コンピュータ周辺機器の状況が悪かった」。

 通期の売上高は98億4200万ドルで前年の100億100万ドルから1.6%の減収。純損失は7億8600万ドル(1株当たり損失は88セント)で前年の純損失4億7700万ドル(同53セント)から赤字幅を拡大した。非連結化を完了したフラッシュ・メモリ・グループ(FMG)と2008年8月に営業を開始した合弁会社のST-NXP Wirelessを除いた場合,売上高は90億520ドルとなり,前年の86億3700万ドルから4.8%伸びている。

 2009年第1四半期については,売上高として15億~18.5億ドルの範囲を見込む。同社は年間7億ドルを超えるコスト削減を目指しており,その一環として世界で4500人の人員を削減する計画を明らかにしている。

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