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 米Googleチーフ・インターネット・エバンジェリストのVint Cerf氏と主任エンジニアのStephen Stuart氏は同社公式ブログへの投稿で米国時間2009年1月28日,インターネット通信計測ツールの開発を支援する取り組み「Measurement Lab(M-Lab)」を発表した。通信中に発生するボトルネックや遮断の原因究明につながるデータを集めるツールと,ツール試験用のインフラを提供していく。

 インターネット接続の通信速度計測や状態診断を行うツールは以前から存在するものの,現状では十分な動作試験を実施できるネットワーク規模とサーバー台数の確保や,研究者同士のデータ共有が難しく,ツールの精度/拡張性向上が困難という。M-Labは試験に使えるネットワークとサーバーを研究者に提供し,ツール開発活動を支援する。試験用インフラで収集したデータは公開する。

 2009年の早い段階で,同社は米国/欧州の12カ所に36台のサーバーを設置し,研究者に開放する。また,本社(カリフォルニア州マウンテンビュー)の近くに設けるサーバーで3種類の計測ツールを動かし,各種データを提供する。

 M-Labの運営には,米国の非営利シンクタンクNew America FoundationのOpen Technology Instituteや新ネットワーク・サービスの開発支援コンソーシアムPlanetLab Consortiumなども協力する(関連記事:米Intel,米HPなどが米大学との協力でインターネット・アプリとサービスのテスト環境構築へ米Intel,地球規模のインターネット実験ネットワーク「PlanetLab」を発表)。同社はM-Labをオープンなコミュニティ活動としており,ほかの企業や組織,研究者などにも参加を呼びかけている。

[Cerf氏とStuart氏の投稿記事]