マイクロソフトは2009年1月27日,パシフィコ横浜で開催している開発者向けイベント「Microsoft Tech Days Japan 2009 “Best of PDC”」において,次期開発ツール「Visual Studio 2010」の新機能について概要を説明した。

 Visual Studio 2010の新機能は,大きく分けて「.NET Framework 4.0」「開発者の満足度向上」「次世代プラットフォームへの対応」「トップクラスのALM(Application Lifecycle Management)」の四つにまとめられる。開発ツールの使い勝手向上,Sliverlightなどへの標準対応,チーム開発の強化など非常に広い分野にわたる改良・強化が行われる予定だ。

 .NET Frameworkは,マネージ・コードに基づく包括的で一貫したプログラミング・モデルを提供する環境で,現行版のバージョンは3.5。Visual Studio 2010ではバージョン4.0になる。.NET Framework 2.0~3.5までは共通言語ランタイムCLR 2.0の部分を変えずに,その上のライブラリを改良および追加してきたが,バージョンを重ねるごとに構成が複雑になってきた。そこで.NET Framework 4.0ではCLRを4.0にバージョンアップし,フレームワークの各種ライブラリを抜本的に作り直す。

 CLRをバージョンアップしても互換性は最大限追求する。作成するプロジェクトのマルチターゲット機能を堅持し,選択できる.NET Frameworkのバージョンとして,2.0/3.0/3.5と同様に4.0を含める。また,同一プロセス内のSide by Sideを実現し,CLR 2.0と4.0の両方を同一環境でロード可能にする。アセンブリ(dll)ごとにロードするCLRのバージョンを決定できるという。