ヤフーは2009年1月27日に、2008年10-12月期の連結決算を発表した。広告事業の売上高は349億円。ヤフーは2008年度から売上高の算出方法を、検索連動型広告のパートナーサイトに払う獲得コストなどを除いたネット表示に変更している。そのため、単純に比較できないが、算出基準を前年度と同じグロス表示にすると414億円で前年同期比13.0%増となる。「広告市場が厳しさを増す中、ディスプレー広告(バナー広告)が予想以上の堅調だった」(ヤフー代表取締役社長の井上雅博氏)という。

 バナー広告では、行動ターゲティング広告が不動産・建設、自動車関連、交通・レジャーの各分野を中心に大きく売り上げを伸ばし、広告売り上げ全体の20%弱を占めるようになった。トップページに一律表示する「ブランドパネル」の売り上げも過去最高を記録した。ただ、ターゲティングせずトップページ以外に配信する「単純に束にしてバサッと売る商品」(井上社長)は売れなかったという。

 検索連動型広告は前年同期比では売り上げを伸ばしたものの、求人業界など今まで高額な入札をしていた広告主・業界でのCPC(クリック単価)が適正な価格に下がったため、バナー広告に比べると低調に終わった。大手広告主の伸びが期待を下回った半面、代理店を通さずオンラインで申し込む小規模な広告主の伸びは順調だったという。

 EC(電子商取引)関連では、「Yahoo! オークション」の取扱高が低調だった。10-12月の1日当たり平均取扱高は6億3000万円と前年度比で8%減少した。利用者数は伸びたが、アパレル、自動車本体、不動産の分野で取引が低調だったのが原因だ。一方、「Yahoo! ショッピング」の2008年12月の取扱高は過去最高を記録した。

 ヤフー全体の売上高は669億円(グロス表示の売上高749億円で比較すると前年同期比7.0%増)。営業利益は同6.0%増の331億円、純利益は同11.4%増の191億円。