写真1●東証コンピュータシステムのAzure評価の内容
写真1●東証コンピュータシステムのAzure評価の内容
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写真2●グレープシティのAzure評価の内容
写真2●グレープシティのAzure評価の内容
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 マイクロソフトは2009年1月27日、開発者向け会議「tech-days Japan 2009」を横浜で開催した。最大の注目点は米マイクロソフトが昨年10月に発表したクラウドコンピューティング環境「Windows Azure」。日本での初披露となる今回はAzureの狙いや内容(関連記事)と同時に、日本でAzureの早期評価を実施している事例を紹介した。

 早期評価に名乗りを上げたのはJTB(関連記事)のほか、東証コンピュータシステム(TCS)とグレープシティの2社。TCSはWindows Azure上で稼働するデータベースサービス「SQL Services」を大規模ストレージとして活用。東京証券取引所の証券取引システムの取引ログデータを保存したり分析したりする用途を想定して評価中だ(写真1)。

 TCSと同様にクラウド環境を大量データの保存先として利用する例としては米ナスダックがある。ナスダックは米アマゾン・ドット・コムのデータ管理サービス「S3」を利用している。

 グレープシティは同社がASPサービスとして提供している学校法人向けの業務管理サービスを、Azureに移行するべく評価中だ(写真2)。Azureに移行することで、自前で運用する既存のシステムに比べて拡張性を高めやすいと判断。既存の中小規模の学校法人だけでなく、より規模の大きい顧客へサービスを提供していくことを計画しているという。

 現在Windows Azureと一連の関連サービスは、開発者向け評価段階にある。マイクロソフトの大場章弘 執行役 デベロッパー&プラットフォーム統括本部長は「今年中ごろには評価版の内容を更新し、価格やSLA(サービス・レベル・アグリーメント)を発表したい」と述べた。日本での商用展開は「今から1年から1年半後」(同)になるという。