富士通は2009年1月27日、ハードディスクドライブ(HDD)用ヘッド事業を同年3月をもって終息すると発表した。これに伴い、08年度第3四半期(08年10月~12月)の連結決算に約50億円の特別損失を計上する。同社は現在、HDD用ヘッドを自社生産と他社からの購買の両方で賄っているが、今後は他社からの購買に一本化する。

 事業終了の理由を広報は「現在HDD事業全体の見直しを進めており、その一環」と説明する。HDD用ヘッド事業を「売却」ではなく「終息」することについては「他社と交渉した事実はないが、交渉しても合意に至るのは難しいと判断した」(広報)。富士通の長野工場でHDD用ヘッド事業に従事している従業員約360人はグループ内で再配置する。

 富士通のHDD事業は東芝への売却が噂されているが、「事業を売却するかどうかも含めて検討中」(同)という。