写真●バックボーン・ソフトウエアの大越大造社長
写真●バックボーン・ソフトウエアの大越大造社長
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 2009年1月23日、バックボーン・ソフトウエアはダウンしたサーバーのデータリカバリを30秒で実行する新製品を発表した。障害が発生した際に、過去の任意の時点のデータを秒単位まで指定して復旧でき、復旧操作の約30秒後にはデータの利用が可能になる。09年4月に出荷する予定だ。価格は初年度保守費用込みの最小構成で396万円。

 新製品の名称は「NetVault Real-Time Data Protector(RDP)」。CDP(Continuous Data Protection)と呼ぶ分野の製品だ。データ復旧を目的にバックアップ用サーバーに定期的にデータを保存する。バックボーンの大越大造社長は「通常CDPは指定できるデータ復旧の時点を、分や秒など、どれだけ細かい単位にできるかを競う製品。だがRDPは秒指定でのデータ復旧ができることに加え、復旧までの時間を最大限短縮した」と話す。

 30秒で復旧するための仕組みはこうだ。サーバーがダウンしてデータがなくなった場合、データ復旧の操作をすると、RDPはサーバーにデータファイルのスケルトンだけを送る。30秒経つと、アプリケーションからはデータが完全に復旧したかに見えるようになる。データを要求すると、RDPはそのデータを優先的にサーバーに送るためアプリケーションは通常通り動作する。「動画のストリーミング配信と似た仕組み」(青木浩朗 営業部システムエンジニア)で、アプリからの要求がないデータも並行して順次リカバリする。

 RDPが対応するのは現在のところマイクロソフトのExchange Server、SQL Server、Windowsファイルシステムのみ。SQL Serverではインスタンス全体、個々のデータベース、個々のファイル単位でデータを保護でき、Exchange Serverでは個々のストレージグループや個々のファイル単位で保護の指定ができる。