写真●2009年3月期第3四半期決算を発表するKDDIの小野寺正社長兼会長
写真●2009年3月期第3四半期決算を発表するKDDIの小野寺正社長兼会長
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 KDDIは2009年1月23日,2009年3月期第3四半期の決算を発表した。2008年4月~12月の連結ベースの売上高は前年同期比0.3%減,営業利益は同9.6%増で減収増益となった。2009年3月期の業績見通しは,営業収益を当初見込みより2000億円低い3兆5000億円に下方修正。一方,営業利益は当初予想の4430億円に据え置いた。

 収益予想を下方修正した主な原因は,携帯電話端末の販売不振。期初は1440万台販売する予定だったが,今回,目標を350万台減の1090万台に見直した。販売数の減少で販売促進費の支出が減ることから,利益は維持できるという。

 現在,世界的に進行している景気後退の影響について小野寺正社長兼会長(写真)は「携帯電話の利用目的として通話がメインの法人市場では収入が減る可能性がある」とした。ただし,「携帯電話を業務の効率化につなげられるソリューション分野ではまだ伸ばせる余地がある」という。

 小野寺社長兼会長は,3.9世代の携帯電話方式であるLTE(long term evolution)の採用についても触れ,「(NTTドコモやソフトバンクモバイルが採用している)W-CDMAからの方がLTEに楽に移行できるという誤解があるがそれは間違い。W-CDMAから移行する場合も,(KDDIが採用している)CDMA2000から移行する場合も変調方式をCDMA方式からOFDM方式に替えなければならない。現行の基地局にLTEのボードを挿せば工事が済むため,他の事業者と条件は同じ」とした。

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