写真1●展示されたNECインフロンティア製の次世代PHS端末
写真1●展示されたNECインフロンティア製の次世代PHS端末
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写真2●「WILLCOM CORE」は複数の通信手段で快適に通信できるサービスと位置づける
写真2●「WILLCOM CORE」は複数の通信手段で快適に通信できるサービスと位置づける
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写真3●パケット通信の上限金額を最大2800円とした
写真3●パケット通信の上限金額を最大2800円とした
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写真4●SimulRadioの運営を手がけるジャーナリストの木村太郎氏(左端)。左から2番目は喜久川政樹ウィルコム代表取締役社長
写真4●SimulRadioの運営を手がけるジャーナリストの木村太郎氏(左端)。左から2番目は喜久川政樹ウィルコム代表取締役社長
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 ウィルコムは2009年1月22日,春商戦向け端末の発表会において,2009年秋から開始する次世代PHSのサービス戦略について明らかにした。具体的には,次世代PHSサービスの開始時に,同一端末で他社の第3世代携帯電話(3G)網にも接続できるようにする方針。同社は次世代PHSの開始当初,都市部を中心に対応エリアを展開するとしており,郊外では接続しづらい可能性がある。通信できる範囲が広い3G網に対応することで,利便性を高める。

 3Gの回線については,ほかの携帯電話事業者から借り受けて,次世代PHSのユーザーが利用できるようにする。4月から開始する試験サービスでは,次世代PHSのみの機能を使った端末(写真1)を導入するが,本サービスでは複数の通信手段で通信できる端末が登場する見通し。

 同社の次世代サービス「WILLCOM CORE」については,従来は“次世代PHS=WILLCOM CORE”と位置づけていたが,今後は次世代PHSだけでなく,3G,従来のPHS,無線LANと複数の通信手段を利用して快適に通信できるサービス全体をWILLCOM COREと位置づける(写真2)。なお,単独サービスとしての次世代PHSはXGP(eXtended Global Platform)と称する。

 3G網は通信できる範囲は広いが,次世代PHSのほうがアクセス集中による速度低下は低いと言う。そうした特性を説明したウィルコムの喜久川政樹 代表取締役社長は「メディア(通信網)の特徴が異なっている。補完するサービスとして検討している」と複数の通信手段でサービスの付加価値を高める考えを示した。一部の報道でNTTドコモと接続すると伝えられたが「相性のいい通信手段を前向きに検討していく」(喜久川社長)という。

 発表会では,おサイフケータイに対応した京セラ製の端末2機種も紹介した。当初はプリペイド型電子マネーのEdyや航空会社のサービスを利用できるようにする。モバイルSuicaは2009年夏に対応予定とする。

 パケット通信の上限金額を最大2800円とした新しい料金プランも発表した(写真3)。音声通話の基本料金はウィルコム同士の通話が24時間無料の場合で2900円。

 このほか,PHSエリア内で無線LAN機器からインターネットへ接続できるようにするアダプター「どこでもWi-Fi」の発売,同社の無線LANオプションが東海道新幹線の通信に対応,地域のFM放送「SimulRadio(サイマルラジオ)」の配信サービスも発表した(写真4)。

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