「これまではオープンソースに興味がある人にしか訴求できていなかった。今後は4社の力を合わせてオープンソースに関心がない人を振り向かせる」。NTTデータでオープンソース関連事業を手がける、藤塚勤也システム方式技術ビジネスユニットOSS技術統括部 課長はこう語る。

 NTTデータ、サン・マイクロシステムズ、富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ(SSL)、ミラクル・リナックスの4社は2009年1月14日、オープンソースの統合監視ツールを普及促進する「OSS統合監視ツール推進協議会」を設立した。オープンソースの統合監視ツールを提供する4社が共同でマーケティング活動を実施する。NTTデータは「Hinemos」、富士通SSLは「GroundWork Monitor」、ミラクル・リナックスは「ZABBIX」というオープンソースの統合監視ツールを、サン・マイクロシステムズはMySQLの監視ソフト「MySQL Enterprise Monitor」を販売している。

 協議会を設立したきっかけについて、富士通SSLの宮坂研二システム基盤開発部長は「4社とも同じような悩みを抱えていたため」という。その悩みとは、冒頭の藤塚課長のコメントにある、オープンソースに興味のない人へのリーチが足りないことだった。「製品を現場のエンジニアに気に入ってもらえても、マネージャに決裁してもらえず、導入が進まないことがたびたびあった」(宮坂部長)。

 4社はここ数年来、オープンソースの統合監視ツールのビジネスを手掛けてきたが、実績は伸び悩んでいた。「当社やパートナー企業がHinemosを導入した案件数は約2年間で十数社。他社の状況もさほどかわらないようだ」(藤塚課長)。しかも導入企業には必ずといっていいほどオープンソースに関心が高い担当者がいた。「オープンソースに興味のある企業だけを相手にしていてもビジネスは拡大しない。そこで競合他社と手を取り合って、製品価値の認知度を高めることが必要と考えた」(同)。

 同協議会はまず、2009年2月26日に4社共同でセミナーを開催する。その後は、各製品の違いや特徴を一覧表にまとめたり、商用製品との比較するなど、知見を集約して発表することを企画している。