コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)事業を手がけるアカマイ(本社:東京都港区,社長:小俣修一氏)は2009年1月21日,インターネットのコンテンツ配信技術である米Microsoftの「Silverlight」と,同じくコンテンツ配信技術である米Adobe Systemsの「Flash」向けのサポートを強化すると発表した。(1)Silverlightを用いてHDTV(高精細度テレビ)映像をストリーミング配信するサービス「AdaptiveEdge Streaming for Microsoft Silverlight」(通称SmoothHD)の国内向けサービス提供の開始,(2)動画配信サービス事業者向けの映像再生プレーヤー開発キット「Media Framework」の提供――の2点がサポート強化の柱となる(発表資料1発表資料2)。

 SmoothHDは,米Akamai Technologiesが運営する世界規模のCDN「Edge Network」上で,Silverlightを用いた動画配信を提供するためのサービスである。Microsoftが当面Edge Networkのみに提供する新しいウェブサーバー技術「Internet Information Services 7.0 Smooth Streaming(IIS7 Smooth Streaming)」に対応している。IIS7 Smooth Streamingは,映像ストリームの配信ビットレートを利用者の視聴端末側の通信速度の変化に合わせてリアルタイムに切り替えることで,再生ボタンのクリック後にすぐに動画再生を開始したり,通信速度が不安定でも途中で再生が停止することのないスムーズな動画視聴を実現できるという。2009年1月21日に,放送事業者など特定の企業を対象にVOD配信の技術検証用サービスの提供を開始する。3月にはライブ配信に対応するサービスを提供し,6月から商用サービスを開始する予定である。

 Media Frameworkでは,動画配信事業者が各サービスごとに利用するプレーヤーを開発するためのコードライブラリを提供する。プレーヤーに必要とされる代表的な機能やデザインを,テンプレートをカスタマイズする要領で手軽に開発できる。事業者が必要とする作業を軽減するツールを積極的に提供することで,コンテンツ配信ビジネスの拡大を狙う。Media FrameworkにはSilverlight向けとFlash向けの2製品があり,どちらもコンテンツの配信管理やメタ・データの管理,プレーヤーのインターフェースデザインを作成する機能を持つ。

 アカマイの小俣社長は,「2009年はインターネットの動画配信でHDTV化が本格的に進む年になる。HDTVの動画配信でも,テレビのチャンネルを変えたときのような軽快な操作性でコンテンツを視聴できる環境を提供したい」と抱負を語った。

■変更履歴
記事公開当初,発表日を「1月20日」としていましたが,正しくは「1月21日」でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2009/1/21 21:00]