KDDIは2009年1月21日,SDIOスロットを用いて様々な用途にカスタマイズ可能な法人向け携帯電話「E05SH」(写真1)と,バーコード・リーダー付きの法人向け携帯電話「E06SH」(写真2)を発表した。E05SHは2009年春から,E06SHは2009年夏から発売する。価格は未定。
両機種とも基本的な部分は共通している。防水や堅牢性,管理制限機能など法人ユーザーが共通に求める機能を備えつつ,企業のニーズに沿ってカスタマイズできるようにした。「これまでの法人端末は,開発に時間がかかりコストもかかっていた。このような課題を解消するために,カスタマイズ可能なベース機を用意した」と,KDDIソリューション事業統轄本部の小林昌宏ソリューション商品企画本部長は狙いを語る。
E05SHは,SDIOスロットに別売の構内PHSカード,または無線LANカードを挿入することで(写真3),構内PHSや同社の内線ソリューション「OFFICE FREEDOM」に対応する。いずれも2009年夏から販売予定で,今後はモバイルWiMAX対応カードや短距離無線対応カードなども検討していくとする。
E06SHは,本体後部にバーコード・リーダーを備えることで,運送業などへの導入を狙う。ハンディ・ターミナル機と同様のリーダー機能に加えて,2次元バーコードの読み取りにも対応している(写真4)。
内線ワンナンバー・サービスの料金や,新サービス「.net by au」も用意
今回の端末発表に併せて,詳細が未定だった法人向けのFMCサービス「KDDIビジネスコールダイレクト」や,新サービス「.net by au」についても明らかにした。
KDDIビジネスコールダイレクトは,登録した固定電話,携帯電話の間で内線番号を使った定額通話が可能な内線ワンナンバー・サービス。サービス開始日は2009年4月15日からで,料金はau携帯電話1回線当たり月額945円,固定回線1チャネル(光ダイレクト)当たり月額420円とした。なおビジネスコールダイレクトの第一号ユーザーとして,日本アイ・ビー・エムと新日本有限責任監査法人が決定したことも明らかにした。
.net by auは,au携帯電話のBREWアプリ上でマイクロソフトの「.NET Framework」対応のアプリケーションを動作可能にするプラットフォーム。au携帯電話上で多くの企業ユーザーが持つWindowsアプリケーションの資産を生かすために,門戸を開いたという。まずは,今回発表したE05SHとE06SHが対応端末となる。
説明会では同社のソリューション事業の今後の展開について,ソリューション事業統轄本部FMC事業本部の山本泰英FMC推進本部長が説明した(写真5)。山本本部長は,「これまでのKDDIのソリューションの提供方法は,豊富なプロダクトの中からユーザーに合ったソリューションをピックアップするというコンシェルジュ的なやり方だった。これからは選択に先立って,ユーザーの業種や規模,業務に応じてプロダクトを事前に組み立て,総合的にユーザーを業務支援する体制を整えていく」と語った。
具体的には,プロダクトごとに個別に選択していた体制をワンストップ化し,コンサルティングや運用支援,ヘルプデスクなどを含めて提供するという。「端末の外箱にユーザー企業の名前を記したり,企業に合わせてより通話料金が安く便利になるように固定とモバイルのサービスを組み合わせることをやっていく。企業のノンコアとなる部分は,すべてKDDIに任せられる体制を作る」と山本本部長は語る。