写真1 日本オラクルの遠藤社長(右)、日本HPの小出社長、Oracle Exadataのきょう体
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写真2 Oracle Exadataの導入による高速化の効果
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写真3 米オラクルの責任者タウンゼント氏
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写真4 日本オラクルの三澤常務執行役員
写真4 日本オラクルの三澤常務執行役員
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 日本オラクルは2009年1月20日、データベース専用システム「Oracle Exadata」を発表した。日本オラクルの遠藤隆雄代表執行役社長最高経営責任者は「10年に一度のテクノロジーの変革」と意気込む(写真1)。大量のデータを扱うデータウエアハウスやバッチ処理を高速化したいユーザーに向けて売り込む。オラクルにとっては初のハードウエア製品となる。会見にはハードを提供する日本ヒューレット・パッカード(日本HP)の小出伸一代表取締役社長執行役員が同席。「ExadataはIT業界にとって重要な位置付けにあるものだ。日本オラクルと技術検証に取り組むほか、パートナーに情報を提供するなど支援をしていく」(小出社長)と述べた。

 Oracle ExadataはDB本体の「Oracle Database 11g」に、同DB専用のストレージサーバーを組み合わせることで高速化を図っている。米Oracleの責任者であるバイスプレジデントのマーク・タウンゼント氏は「先行ユーザーでのベンチマークから、10倍から72倍高速化できている。数日間かかるクエリーが数時間、数時間のものが数分間で済むようになる」と説明する(写真2、3)。

 具体的には、従来はDB側だけで行っていたクエリー関連の処理をストレージ側にも担当させている。ストレージ側で該当するデータを特定、対象となる行列のみをDB側に伝送するものだ。この技術を「SmartScan」と呼んでいる。従来はテーブル全体のデータをDB側に送信。その後DBのメモリー上に展開して処理を行うため、データが大量になるほどオーバーヘッドが大きかった。ExadataはDB本体とストレージの間を高速ネットワーク技術の「InfiniBand」で接続し、ボトルネックとならないようにしている。システムによっては、検索の高速化用にあらかじめ生成しておくインデックスが必要なくなるという。

 Exadataは国内では汎用機の市場も狙う。「日本ではデータウエアハウスを汎用機にバッチ処理で作り込んでいるケースが多く、そうした企業にとって(性能やコスト面での)効果が大きいだろう。データウエアハウス専用機の置き換えもあるだろう」(日本オラクルの三澤智光常務執行役員、写真4)。

 Oracle Exadataは日本HPのハードとのセットで提供する。構成としては、日本オラクルのストレージソフト「Oracle Exadata Storage Server」に、日本HPのハード「HP Oracle Exadata Storage Server」を組み合わせている。これにOracle Database 11gを稼働させる日本HPのPCサーバーとセットにしたシステムを「HP Oracle Database Machine」として提供する。Database Machineの価格は、14台のストレージ(SASの場合総容量75Tバイト、SATAの場合は同168Tバイト)、8台で合計64コアのPCサーバー、4台のInfiniBandスイッチ、設置費用・ハード保証などを含んで7065万円2200円。Exadataのソフトやハードの単体でも販売する。同日1月20日から受注を開始した。

 このほかOracle Database 11gのライセンスが必要である。DBのハードウエアを購入せず、ストレージのシステムとユーザーが運用中の11gのシステムを連携させることもできる。