写真●サーバー事業を統括する渡部眞也 事業部長
写真●サーバー事業を統括する渡部眞也 事業部長
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 日立製作所は2009年1月20日、データセンター構築の新サービス「モジュール型データセンタ」を発表した。特徴は機器構成や設計を標準化したひな型を利用すること。構築期間を同社の従来比で67%削減できるという。独自開発の冷却技術や設計コンサルティングを併せて提供することで、消費電力も27%削減できるとする。

 同サービスでは縦6.3メートル、横3.6~10メートルの部屋を基本単位(モジュール)としてデータセンターを構成。この部屋の中にサーバーやストレージ、空調機器といった機器を配置する。機器の種類や設置場所、設置間隔、空調機器による冷気と暖気の通し方などをあらかじめ大まかに決めておくことで、構築期間の短縮を図る。「データセンターのフロアを細かく区切って、必要な分だけ処理能力を増強できる。従来は大きなスペースを最初に確保して小さく区切っていくというもったいないやり方をしていた」(渡部眞也 エンタープライズサーバ事業部 事業部長、写真)。

 日立は独自開発の冷却技術を併せて利用することで、工期だけでなく消費電力コストの削減も図る。サーバーのラック背面に設置する水冷方式の冷却装置「クールセーバー」を、オプションで提供。これを利用することで、最大冷却能力を約66%高められるという。

 同サービスの料金はモジュールの構築費用が3500万円から。クールセーバーやコンサルサービスの料金は個別見積もり。日立のデータセンター構築事業は年間210億円。同サービスの販売目標を3年で100億円と見込む。