画面1●仮想マシンの監視画面
画面1●仮想マシンの監視画面
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画面2●監視内容の登録画面
画面2●監視内容の登録画面
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 芝通は2009年1月19日、仮想マシン上のアプリケーションを監視/リカバリするソフト「TANAGOKORO for VMware」をリリースした。サーバー仮想化ソフト「VMware ESX/ESXi」上で稼働させたアプリケーションの可用性を高められる。価格は9万8000円(2CPU、別途20%の年間保守料が必要)である。

 TANAGOKOROは仮想マシンのポートを定期的に監視。障害を検知した場合、メールを送信したり、仮想マシンを再起動したりできる(画面1)。VMware自体もHA(High Availability)機能を用意するが、監視対象は物理サーバーと仮想マシン上のOSの障害にとどまる。仮想マシンで動いているアプリケーションを監視できるところが、TANAGOKOROの特徴だ。

 仮想アプライアンスとして提供されるTANAGOKOROは一つの仮想マシン上で稼働し、他の仮想マシンを監視する。監視対象のマシンおよび監視内容は、GUI画面で登録する(画面2)。用意されている監視項目はping、tcpport、ftp、http、telnet、sshの六つ。仮想マシンごとに監視項目を選び、正常と見なすコマンドレスポンスと一緒に登録しておけば、TANAGOKOROが定期的にコマンドの実行結果を確認。障害を検知し仮想マシンを再起動する際は、VMwareにアクションを依頼する。

 各アプリケーションにマッチした、もっと高度な監視も可能だ。アプリケーション固有のチェックコマンドを発行するシェルスクリプトを仮想マシンで動かしておき、TANAGOKOROから確認する方法である。芝通 プロダクトマーケティング部の小林忍 部長は「例えばOracleを監視するサンプル・スクリプトを提供するなど、現場で求められる監視ノウハウの充実にも力を入れたい」と話す。

 TANAGOKOROと同様の監視/リカバリの仕組みは、仮想マシンにクラスタリングソフトを導入しても実現できる。ただし、「クラスタリングはすべての仮想マシンにソフトを導入する必要がありコスト負担が重い。TANAGOKOROは、エージェントレスで仮想マシンを監視するので、こうしたコストはかからない」。芝通 コンサルティング&ソリューション企画部の堀沢茂輝 部長代理は、TANAGOKOROのコスト優位性をこう説明する。

 今回リリースしたVer1.0に続いて、1.1を2月中旬にリリースする予定。1.1では、複数の物理サーバーで稼働させた仮想マシンを一元管理できるようになる。また3月には「TANAGOKORO for VMware HA Ver1」をリリースする予定。これは、VMware HA環境で稼働させた仮想マシンを監視/リカバリするための製品である。