オムロンは1月22日,UPS(無停電電源装置)の新機種「BU75RW」,および同製品を対象にした保守サービスの発売を開始する。入力電圧が変動しても出力電圧が安定する常時インバータ給電方式を採用しつつ,最大出力容量を750VA/600Wと小規模システム向けにした。サーバー/ネットワーク機器1~2台規模の情報システムや,産業機器/組み込み機器をターゲットにしている。

 BU-RWシリーズは,同社の最上位クラスのUPSで,既に1k~3kVAの出力容量の製品をそろえている。今回のBU75RWの投入によって,小規模システムを含めた幅広いニーズに応えられるようになる。これまで消費電力600W以上の機器の接続には,1kVAクラスのUPS製品が必要だったが,力率を0.8に改善することで,750VAでも600Wの機器を接続できるようにした。

 BU75RWは入力電圧75V~144Vの範囲までをAC100V±3%で出力できる。UPSが故障した場合でも接続機器に対する電力供給を継続できるバイパス機能が標準装備されている。バッテリの期待寿命は4~5年で交換時期になるとLEDで表示する。外形はJIS/EIA19インチ・ラックマウントに対応しており,高さは2U(約88mm)。縦置きスタンドにてオフィスでも利用できる。また,UPS前面からホットスワップでバッテリが交換可能だ。

 メーカー希望小売価格は12万3900円(税込み)。同時に発売する保守サービスには,故障した製品や部品をユーザーが送付する「無償保証延長サービスパック」(4年パックおよび5年パック)と,サービス要員が来訪する「オンサイト保守パック」(3年~5年パック)の2種類がある。無償保証延長サービスパックの4年パックを付けた場合の同製品のメーカー希望小売価格は17万8500円(同)。オンサイト保守パックの3年パックを付けた同製品のメーカー希望小売価格は24万9900円(同)。販売目標は年間5000台である。

 オムロンは2009年夏ごろまでに,同社のUPS用電源管理ハードやソフトについて,バージョンアップおよび対応OSの拡大を順次実施していく。対象は,UPSに導入するSNMP/Webカード「SC20G」のファームウエアや,ネットワーク自動シャットダウンソフト「PowerAct Pro」のマスター・エージェントおよびスレーブ・エージェント。「SC20G」のアップグレードは2008年12月に実現したほか,「PowerAct Pro」のバージョンアップが2月から順次始まる。管理のしやすさを向上させ,機器の二酸化炭素排出量が簡単に分かる機能などを新たに装備する。