図●digicellの操作画面。作業者は画面を見ながら製品を組み立てたり検査する
図●digicellの操作画面。作業者は画面を見ながら製品を組み立てたり検査する
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 日本システムウエア(NSW)は2009年1月13日、製造業での組み立て作業などを支援するデジタル屋台向けソフト「digicell(デジセル) Ver2.0」を発表した。新版では検査工程向けの機能を追加した。2月2日から発売する。

 digicellは、一人の作業者が製品の組み立てから検査までを行うセル生産方式を支援するソフト()。進捗に合わせて作業内容を画像や音声で細かく指示したり、電動ドリルや電子部品棚などの機器と連動して作業品質などを管理できるのが特徴。セル生産方式では工作機器や部品棚一式を「屋台」と呼ぶことから、ITで作業を支援する仕組みを「デジタル屋台」と呼んでいる。

 デジタル屋台を使うと、従来はベテラン従業員しかできなかった作業を、経験の浅い担当者に任せられるようになる。作業担当者が誤った作業をしようとすると、機器のスイッチを自動切断したり、画面に警告メッセージや正しい作業手順を示したりするからだ。

 digicellの新版では、電圧・電流計などの検査装置と連動して、検査の合否を自動判定したり、検査成績書を自動作成する機能を追加した。作業担当者がソフトの指示通りに検査対象部品や検査装置を設置するだけで、製品の品質検査を実行できる。検査工程ごとの作業時間などを自動計測する機能を利用すれば、業務改善に役立つデータを収集することも可能だ。

 価格は100万円から。1ライセンスと管理ソフト、検査マニュアルなどの作成支援ツールが付属する。NSWは合理化が強く求められている中堅製造業を中心に販売し、今後1年間で1億円の売り上げを見込む。