写真1●各種コンテンツが選べるメインメニュー
写真1●各種コンテンツが選べるメインメニュー
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●メニューのコンテンツからYouTubeを選択したところ
写真2●メニューのコンテンツからYouTubeを選択したところ
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●エド・フォーマン EVPストラテジー&コーポレート開発 チーフストラテジーオフィサー
写真3●エド・フォーマン EVPストラテジー&コーポレート開発 チーフストラテジーオフィサー
[画像のクリックで拡大表示]
写真4●iPhoneからリモコン操作も可能
写真4●iPhoneからリモコン操作も可能
[画像のクリックで拡大表示]

 ケーブルテレビ向けのコンテンツ配信サービスを提供している米アクティブビデオ・ネットワークスは,2009年1月8日から開催されている家電関連の展示会,2009 International CESに合わせて,同社のサービスを関係者に公開している。

 YouTubeやSNSなど各種Webサービスを利用できるが,Web関連データは同社のサーバーが受信し,MPEG化した映像のみを家庭の受信用アダプタに配信する。同社では,クラウド・コンピューティングをテレビに応用したサービスであると位置づけている。

 同社のコンテンツ配信サービスに接続すると,エンターテインメント,ゲーム,SNSといったメニューが現れる(写真1)。例えば「YouTube」を選択すると,一覧が現れ,リモコン操作で好みを画像を選択・再生できる。画面上に現れるキーボードを使って画像の検索もできる(写真2)。

 単なるブラウザ機能のように見えるが,実は端末側でWebサービスのデータは受信していない。Webデータを受信するといった処理は同社のサーバーが実行している。まず,サーバーはユーザーによるリモコンの操作を受け付け,その操作に合わせてWebデータを受信する。続いてサーバーは変更を反映した映像をMPEG動画として作り,ユーザーの端末に送る。端末は,リモコン操作の情報をサーバーに送り,MPEG動画を受け取っているだけにすぎない。

 この方法のメリットは,コンテンツ配信サービスを提供するケーブルテレビ事業者のコストを抑えられること。「独自のメニューや,コンテンツ表示の機能を受信機に組み込む必要がないため,コストや手間が減る」(エド・フォーマン EVPストラテジー&コーポレート開発 チーフストラテジーオフィサー,写真3)。新たなコンテンツの追加やサービス変更を加えやすいというメリットもある。

 必要な帯域は1.2Mビット/秒で,帯域が広ければ自動的にMPEG動画の表示品質を高める仕組みとなっている。現在は欧米などでサービスを展開しており,日本への参入は未定だが,「NTTは100Mビット/秒の光ファイバーのサービスを展開しており,そうした広帯域のブロードバンド・サービスと組み合わせるとサービスの真価を発揮できる」(フォーマン チーフストラテジーオフィサー)と期待を寄せる。

 また,iPhone用Webアプリケーションで同社サーバーにアクセスすることで,iPhone上からテレビのリモコン操作も可能だ(写真4)。今後はこうした携帯端末や家電との連携機能を強化していくという。