2009年1月8日(米国時間),ソニー会長兼CEOのHoward Stringer氏が家電展示会「2009 International CES」開幕の基調講演に登壇した(写真1)。同氏は前日のBallmer社長の基調講演と同様に,「革新を続ける限り,最終的に勝ち残る」と来場者を鼓舞。その方策として,革新を続けるための7カ条を披露した。
その内容は,「家電とITの融合を進めること」「サービス指向であること」「多機能であること」「オープンな技術をサポートすること」「共有型のサービスを促進すること」「斬新な連携を創造すること」「環境に配慮すること」の7カ条(写真2)。それをソニー自らが実践していく証として,発表したばかりの新製品・試作機・新サービスを立て続けにデモして見せた。
デモで登場したのは,ヘッドマウント・ディスプレイ(HMD)の試作機(写真3),動画共有サイト「YouTube」やオンライン・アルバム「Picasa Web Albums」にアップロード可能なデジタルカメラ「Cybershot G3」(写真4),米Chumby Industriesと共同開発中のデジタル・クロック(写真5),曲げられるフレキシブル有機ELディスプレイ(写真6),PLAYSTATION 3に向け2008年12月11日に提供を始めたばかりの仮想世界サービス「PlayStation Home」(写真7)など。中でもHMDのデモは,映画俳優のTom Hanks氏が,2006年の基調講演に続いてゲスト参加(関連記事)。会場をわかせた。
このほかにも,米Walt Disneyと米Pixar Animation StudiosのChief Creative Officerを兼務するJhon Lasseter氏(写真8)や米DreamWorks AnimationのJeffrey Katzenberg CEO(写真9)が登壇し,Blu-rayのインタラクティブ性やネットワーク・コンテンツとの連携,立体視が可能な3D動画の革新性などを訴えた。
今年のCESで勢いを見せつけたのは,これらコンテンツ・メーカーの賛辞に留まらず,コンテンツそのものを会場に提示した3D動画の体験デモ。数分程度の長さながら,3D動画用に制作されたPixarの「Cars」(邦題「カーズ」)とDreamworksの「MONSTERS VS. ALIENS」(2009年3月全米公開)の両アニメーションは,座席に置かれた3Dメガネをかけ視聴した来場者をうならせていた。