図1●シングルナノ触媒の概念図
図1●シングルナノ触媒の概念図
[画像のクリックで拡大表示]

 マツダは2009年1月8日,自動車の排ガス触媒に使う貴金属量を大幅に削減することに成功し,2009年に発売する新型車で実用化すると,発表した。排ガスの浄化性と高い耐久性を同時に実現できるシングルナノ触媒を採用することで,貴金属使用量を従来比約70%削減できる。

 この結果,貴金属使用量を,0.55g/Lから0.15g/Lに減らせる。2009年に発売する新型「アクセラ」(海外では「Mazda3」として販売)に採用する。同車の排ガス性能は「平成17年基準排出ガス75%低減レベル(SU-LEV)」。

 マツダのシングルナノ触媒は,表面積を増やすために貴金属の粒径を5nm以下に調整し,この貴金属粒子を新構造の触媒材料に埋め込み、シングルナノサイズのまま固定するもの(図1)。こうした触媒構造はこれまでになかったものだという。貴金属の凝集がなくなったことで,貴金属の使用量を大幅に削減しながらも優れた排ガス浄化性能を確保している。

 同社は今後,このシングルナノ触媒の採用を順次拡大し,貴金属使用量の削減を進める方針だ。