米国ラスベガスで2009年1月8日から始まる家電の展示会「2009 International CES」の開催前夜,複数の企業が集合して報道関係者に新製品を紹介するイベント「Digital Experience!」が開かれた。ここで展示されたものの中から,携帯電話関連を中心に興味深い製品を紹介しよう。

 米モトローラが展示していたのは2000ドル(約20万円)と高級な携帯電話「AURA」(写真1)。珍しい丸型の液晶画面を搭載しており,本体はステンレス。2008年末に欧米や中国で発売されたが,日本での発売は未定だという。

 逆に米ドル換算で150ドル(1万5000円)以下という低価格携帯が,英INQモバイルの「INQ1」(写真2)。安くてもネット関連の機能は充実している。Facebook,Skype,Windows Live Messengerのメッセージをやり取りできる。音声通話よりもむしろ,メッセンジャーサービスを重視した設計といえる。英国やオーストラリアで発売になっているほか,3月までには香港で発売を予定する。

写真1●米モトローラの高級携帯「AURA」
写真1●米モトローラの高級携帯「AURA」
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写真2●英INQモバイルの格安携帯「INQ1」
写真2●英INQモバイルの格安携帯「INQ1」
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 米OQOは7日付けで発表した3G携帯の通信機能を搭載する小型パソコン「OQO model 2+」を公開した(写真3)。幅は5.6インチ(約14.2cm),重量は1ポンド(約454グラム以下)。5インチのディスプレイには有機ELを採用した。「有機ELのパソコンは世界初」(説明員)という。米クアルコムの通信プラットフォームGobiを採用し,CDMA2000 1xEV-DOやHSPAで最大7.2Mビット/秒の通信が可能。出荷は5月になる見通し。

 米クアルコムは,パソコン並みの機能を持つ携帯端末向けプラットフォーム「Snapdragon」の試作機を展示していた。同プラットフォームは1GHzのCPUを核として,3G通信機能などを組み合わせたもの。試作機はノートパソコン型(写真4)のほか,さらに小型の端末を想定した試作品も並んでいた。OSはLinuxのほか,Windows MobileとAndroidが動作していた。

写真3●米OQOの小型パソコン「OQO model 2+」
写真3●米OQOの小型パソコン「OQO model 2+」
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写真4●米クアルコムの「Snapdragon」プラットフォームを採用した試作機
写真4●米クアルコムの「Snapdragon」プラットフォームを採用した試作機
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ペットがいなくなってもGPSで発見

 米ナノマティックは,携帯電話のGPS機能を使って友人や家族の居場所をネット上で確認できるサービス「nanonavi」を紹介していた(写真5)。専用のソフトウエアをSNSサービスのfacebookやMySpaceに埋め込み,さらにiPhone,GPS搭載のWindows Mobileやノキア製端末に専用アプリを入れると,リアルタイムに友人や家族の居場所がサイト上で確認できる。利用料は無料。

 このサービスを利用して子供やペットの居場所が分かるようにするための小型GPS/GPRS(ペット用はGSM)端末も用意している(写真6)。

写真5●米ナノマティックのGPSで友人などの居場所が分かるサービス「nanonavi」
写真5●米ナノマティックのGPSで友人などの居場所が分かるサービス「nanonavi」
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写真6●ペット用(左)や子供用(右)のGPS端末
写真6●ペット用(左)や子供用(右)のGPS端末
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