写真1●サーバーとストレージの事業を統括する松本芳武 執行役員
写真1●サーバーとストレージの事業を統括する松本芳武 執行役員
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写真2●x86サーバー事業を担当する橘一徳 ISSビジネス本部 本部長
写真2●x86サーバー事業を担当する橘一徳 ISSビジネス本部 本部長
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 日本ヒューレット・パッカード(HP)は2009年1月8日、x86サーバー事業の戦略説明会を開催した。同社のサーバーとストレージの事業を統括する松本芳武 執行役員は「日本におけるIT投資は依然として既存インフラの保守や維持が中心。ITインフラの刷新を促すため、積極的に提案していきたい」と述べた(写真1)。

 日本HPはx86サーバー事業に関する2009年の目標として、x86サーバー全体の台数シェア30%、うちブレードサーバーの台数シェア50%という目標を掲げた。2008年はそれぞれ25%前後、37%前後だった(IDC調べ)。

 この目標達成に向けて、同社は三つの施策を発表した。(1)中堅中小企業への拡販に向けた販売体制の強化、(2)パートナー向けの人材育成メニューの強化、(3)サーバーとストレージの一斉値下げである。

 (1)の中堅企業向け販売体制強化で実施するのは、大企業向けの直販営業の配置転換。数十人を移し、中国地方や東北地方、関西地方などに配置する。「製品やサービスの最新情報を全国へ届けることができるよう、カバー範囲を拡大する」(橘一徳 ISSビジネス本部 本部長、写真2)。

 (2)パートナー企業の人材育成支援については、営業担当者向けの認定制度を今春に新設する。初級の営業職向けと上級のコンサルタント職向けの2種類があり、それぞれ教育コースと試験を設ける。今年中に300人の認定者を育成するとしている、

 (3)で値下げするのはx86サーバーとストレージの575製品。平均で20%、最大で67%値下げする。例えばラック型サーバー「DL360G5」の場合、2プロセサ、ハードディスク146Gバイト、メモリーを標準2Gバイトにオプション2Gバイトを加えた構成で従来価格100万9050円を新価格69万7200円とした。

 今回の値下げは同社のx86サーバー事業史上、最大規模になるという。しかし赤字覚悟ではなく「きちんと利益を出せる体制を築いている」(松本執行役員)。その体制が実現できる理由は「世界規模のスケールメリット」だという。橘 本部長は「当社のx86サーバーは世界累計出荷台数が1500万台を突破した。このスケールメリットを生かしてIT業界のプライスリーダーになりたい」とした。