写真●IDC Japanの和田英穂グループディレクター
写真●IDC Japanの和田英穂グループディレクター
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 IDC Japanは2009年1月8日、国内IT市場展望を発表した。2008年の国内IT市場の市場規模は前年比1.4%増の12兆6000億円程度になる見込み。一方で2009年には前年比1.7%減の12兆3788億円になると予測する。和田英穂グループディレクターは「金融危機の影響を受け、これまでの拡大傾向から一転しマイナス成長になる」と説明した。

 同社の調査では過去5年ほど1%前後の成長が続いている。「ネットバブルが崩壊した際も成長は鈍化したが、マイナス成長にはならなかった」(和田グループディレクター)。しかし2009年は、ハードウエアについてはストレージ以外のパソコン、サーバー、プリンタなどがマイナス成長になると予測。比較的不況の影響を受けにくいとするサービスやソフトウエアについても、マイナスに転じることはないが前年の成長を大きく下回るとした。

 このマイナス成長は1年限りとも予測する。2010年には前年比1.7%増のプラス成長に戻るというのだ。その理由として、製造業などで外需が回復しIT投資が増える見込みであること、一時的にはIT投資を抑制したとしてもコンプライアンスの点から投資を減らすことはできない状況であることなどを挙げた。