日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は,x86サーバーおよびストレージ関連の全575製品について,2009年1月8日付けで定価(希望小売価格)を平均で20%引き下げた。いずれも,定価で200万円未満の価格帯に属する製品群となる。定価が下がることで,保守費用も,定価を基準にしている場合は下がる。

 今回の価格改定の背景には,定価と実質購入価格の格差を縮めて価格表記の透明性を上げる,という同社の戦略転換がある。これにより,ユーザー企業が購入する際の料金は,価格改定後の定価に近い金額になるとしている。一方で,以前は,最初から販売キャンペーンなどの割引制度を活用することを見込んだ定価設定を施す傾向にあるなど,価格表記が不透明だった。これをやめることで,新規顧客を獲得しやすくする。

 ただし,定価が下がっただけで実際の購入価格には変化がない,というわけではない。「今回の定価改定率が,そのまま以前の割引率というわけではない。今回の定価改定により,ユーザー企業の購入価格も下がる。例えば,販売店への卸価格は,今回の定価改定率に近い数字で下げている」(同社)。

 価格改定後のサーバー機の構成例は,以下の通り。2CPU構成の「ProLiant DL360 G5」にRAIDコントローラ「P400i/256コントローラ」と容量146GバイトのSASディスク2基,メモリー4Gバイト,DVD-ROMドライブの組み合わせで,税込みの改定前価格が100万9050円に対して,改定後価格は69万7200円となる。改定率は約30%である。

製品カテゴリ別の価格改定率
種類最大改定率平均改定率改定製品数
タワー型サーバー28%15%31モデル
ラックマウント型サーバー30%13%61モデル
ブレード型サーバー23%10%30モデル
メモリー67%46%32製品
ディスク49%28%28製品
RAIDコントローラ30%18%18製品
UPS(無停電電源装置)33%19%12製品
ラック関連製品67%21%68製品
テープ装置28%20%20製品
NASサーバー機18%12%14製品
統合型ストレージ(AiO)31%29%3製品