写真●安全携帯アタッチメントを携帯電話と接続しているところ
写真●安全携帯アタッチメントを携帯電話と接続しているところ
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 沖電気工業(OKI)は2009年1月8日,携帯電話用の車々間通信モジュール「安全携帯アタッチメント」を開発したと発表した(写真)。

 車々間通信とは,車などの移動体が自分の位置や速度,移動方向などの情報を無線通信を使ってブロードキャストするというもの。カーナビゲーション・システムなどの機器が各車の位置・速度・方向情報を取り込んで表示すれば,交通事故の予防になる。例えば,見通しの悪い交差点での車両の接近や,大きな車の陰で見えない車の位置などを確認できれば,こうした個所での事故を減らせる。

 今回OKIが開発した安全携帯アタッチメントを使えば,こうした車々間通信において,車のみならず,人の位置情報を扱うことが出来るようになる。例えば,近くを通る車に対して歩行者の存在を知らせたり,逆に携帯電話を持つ歩行者に対して車の接近を警告するといったことが実現する。

 安全携帯アタッチメントは,ETCなどで利用する通信方式DSRC(dedicated short range communications)に対応する。この通信機能のほか,GPS,加速度センサー,方位センサーを搭載。携帯電話とは,充電やパソコンとのUSBケーブル接続に使うコネクタを介して接続する。安全携帯アタッチメントがDSRCの通信パケットを受信した際に,携帯電話にこのデータを転送できる。一方,携帯電話側から安全携帯アタッチメントにコマンドを送ることで,DSRCパケットを送れる。この仕組みを使って携帯電話上で車々間通信のアプリケーションを作成できる。

 今後は,無線LANを拡張してDSRC通信を実現するIEEE802.11pや,アナログ・テレビ放送終了後に車々間通信への割り当てが期待されるUHF帯への対応を計画しているという。

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