Macworld 2009の基調講演を通じて,最も大きな歓声がわきあがった米Appleのマルチメディア・スイート「iLife '09」の発表。中でも写真を“顔”中心に整理する「Faces」機能は,驚きを含む拍手で迎えられた。

 デジタルカメラではもはや定番の「顔認識」と,画像検索の技術として商用化が相次いでいる「類似画像検索」。Facesはこの枯れつつある2つの技術を,斬新なユーザー・インタフェースを入り口に組み合わせた。

顔認識後,同一人物の写真を検索するデモ。複数の人物を指定して集合写真を検索する機能も備えている

 iLife '09の新機能「Places」は,位置情報タグで写真を整理できる。位置情報タグの付加機能は,ソニーやニコンなどのデジタルカメラの一部機種や,GPSと無線LAN機能を内蔵する米Eye-FiのSDカードメモリー「Eye-Fi Explore」(国内未発売,関連記事)などが備えている。

 もっとも「写真と位置情報を関連付ける」という試み自体は,別段目新しいものではない。Appleは既存画像への位置情報の埋め込みを支援する地理情報データベース,およびグルーピングした写真の撮影場所を一覧できるユーザー・インタフェースなどを用意することで,位置情報と写真の連携を平易なアプリケーションに仕上げている。

半自動化された位置情報タグの埋め込み作業(動画前半)と,写真の撮影場所を一覧するユーザー・インタフェース(同後半)のデモ