写真 新幹線の復旧見通しについて説明する駅員(JR大宮駅)
写真 新幹線の復旧見通しについて説明する駅員(JR大宮駅)
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 JR東日本は2009年1月5日、昨年末に東北・上越・山形、秋田の全新幹線がシステム障害で運行できない状態となったトラブルについて原因を発表した(関連記事)。それによると、運行システム内のデータの日付が不正な値になり、その修正に時間がかかったという。

 トラブルは新幹線の車両やダイヤ、乗務員割り当てなどの運行全般を管理する情報システム、COSMOS(COmputerized Safety Maintenance and Operation systems of Shinkansen)で発生した。昨年12月29日の早朝にシステムを操作したが、始発の営業運行に向け列車が割り付けられなかった。

 引き金となったのは、前日28日の長野新幹線の車両故障や山形・秋田新幹線の強風や雪害。その影響ですべての列車の運行が終了したのが29日の午前1時33分だった。その後29日の臨時を含めて389本の列車が運行できるよう、車両を留置する場所などのデータを変更。作業は午前5時45分まで長引いた。

 COSMOSでは午前5時までに運行データを修正し、その日の営業に利用する仕様となっている。しかし当時は午前5時以降に日付を切り替えたため、作成した運行データが1営業日後の30日のものになってしまった。つまりCOSMOS上に29日の運行データが存在しないため、トラブルが発生した。最終的に運行データの日付を修正した後の午前8時55分、東京駅から始発電車が出発することとなった。最終的に運休や遅延で13万7700人の乗客に影響が出た。

 JR東はダイヤの混乱が深夜に及ぶ場合、運行データを変更する量を制限したり、人員など体制を強化するとしている。