2008年度の中堅中小企業(SMB)向けERP(統合基幹業務システム)パッケージのライセンス売上高は前年度比115.6%、899億3400万円になる見込み――。調査会社のノークリサーチは08年12月22日、「2008年中堅・中小企業向けERP市場実態調査報告」を発表した。調査報告は同社が毎年発表しており、年商500億円未満のSMB向けERPパッケージの市場規模や製品別シェアを分析している。

 年商別にみると「年商100億円以上、300億円未満」の企業向けライセンス売上高の伸びがもっとも高いとしている。同企業向けのライセンス売上高は年間269億5300万円で、前年度比126.4%増になる。

 一方、「年商50億円未満」の企業向けライセンス売上高は前年度比101.3%増の214億5600万円で、ほとんど伸びないと予測。この市場では「機能的にも価格的にも単体業務向けのパッケージが実績を高めており、非ERPを選択する傾向が見られる」とノークリサーチは分析している。

 ノークリサーチは同時に、07年度のSMB向けERPパッケージ製品のライセンス売上高シェアを発表。シェア1位は富士通の「GLOVIA smart」(18.5%)。以下、2位はOSKの「SMILE α AD」(12.7%)、3位はオービックの「OBIC 7ex」(9.3%)、4位は住商情報システムの「ProActiveシリーズ」(7.1%)、5位はオービックビジネスコンサルタントの「奉行新ERP/奉行V ERP」(5.2%)となった。「上位5社のシェアにここ数年変動はない」とノークリサーチは説明する。

 同社は、SMBに大企業向けのERPパッケージライセンス売上高を加えると、08年度の市場規模は1227億4600万円になると予測している。伸びは前年度比115.4%で、SMB向けとほぼ同じとしている。