写真◎富士通が開設する仮想化ソリューションセンターの検証用サーバールーム
写真◎富士通が開設する仮想化ソリューションセンターの検証用サーバールーム
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 富士通は2008年12月22日、仮想化システムの技術サポートを専門で担当する新部門「仮想化ソリューションセンター」を設置することを明らかにした。開設は12月24日で、約40人の専門技術者がセンターに所属する。システム構成の検証やシステムエンジニアの育成を実施する。

 同社の仮想化関連ビジネスは2006年から本格的に開始。米ヴイエムウェアの仮想化ソフトの出荷本数は年率2.5倍近いペースで急増している。2008年にはマイクロソフトの仮想化ソフト「Hyper-V」の取り扱いも開始した。今後の成長に対応するため、仮想化に関する情報とノウハウを新設したセンターに集約。蓄積した情報を新商品の開発や顧客、パートナー企業への技術・情報提供に生かす。

 センターを開設した背景について、富士通の酒井利弘プロダクトテクニカルセンター長は「特に仮想化技術を利用したネットワークの設計が難しくなっている」点を挙げる。性能設計やシステムトラブルの対応では、ネットワークの知識が不可欠になる。しかし現行体制では、ネットワーク、サーバー、ミドルウエアでエンジニアの専門領域が分かれている。これを集約することで「同じフロアで毎日顔を合わせるようにして、ノウハウを互いに共有できるようにする」(酒井センター長)。

 蓄積したノウハウは社員やパートナー企業にも提供。仮想化システムの構築を手掛けられるエンジニアを育成し、今後の需要増に対応する。2008年度に延べ1800人、2009年度に同3200人の育成を目標とする。このほか最適なシステム構成の検証を進め、IT基盤「TRIOLE」の商品としてテンプレート化する。

 仮想化ソリューションセンターは東京・浜松町にある富士通の拠点「Platform Solution Center」内に設置。ユーザー向けにはサーバー320台からなる検証環境の提供や、デモ環境の提供を行う(写真)。