日立製作所は2008年12月19日、同社のブレードサーバーの仮想化機構上で、セゾン情報システムズのファイル転送ソフト「HULFT」の動作検証を完了したと発表した。「ファイル転送ソフトのデファクトであるHULFTは、ユーザーから対応の要望が強い」(日立 エンタープライズサーバ事業部の芳野泰成担当部長)ため、両社で検証に取り組んだ。

 仮想化環境では、複数のシステムがプロセサやネットワークを共有する。そうした切り替えや特殊な環境によるボトルネックやオーバーヘッドが問題ないかどうかを確認した。日立のハードウエアベースの仮想化機構「Virtage」を搭載したブレードサーバー「BladeSymphony」に「HULFT」を搭載。両社で基本的な動作や伝送速度、クラスタ環境での切り替え時の挙動といった点を検証している。

 結果、HULFTに手を加えることなく、Virtageできちんと稼働することを確認。「プロセサの負荷も低く転送性能も十分だった」(セゾン情報 HULFT開発センター商品開発一部の森田健主任)ため、動作保証の対象とした。

 仮想化環境でHULFTの動作を保証するのはVirtageが初という。これまでもHULFTを利用するユーザーはいたもののサポート対象外。これに対して「今後は問題があっても日立と連携して問題の切り分けなどの対応ができ、ユーザーの不安を解消できる」(HULFT開発センター 商品開発一部の高屋敷国弘部長)。

 なお検証を完了したのは、HULFTのバージョン6とHULFT7のバージョン7。複数のHULFTを束ねて管理する機能を持つHULFT-HUBのバージョン2.1。同2.2についても検証する予定だという。