動画配信サービス「Joost」を運営する米Joostは2008年12月18日(現地時間),パソコン向けに専用の再生ソフトを使って提供していた動画配信サービスを停止することを開発者ブログで明らかにした。今後はWebブラウザーで配信動画を視聴する方法に統一する(発表資料)。

 Joostは2006年に,プロが作成した動画コンテンツを高画質で配信する,広告ベースの無料サービスとしてスタートした。動画コンテンツを効率的に配信するために独自のP2P(ピア・ツー・ピア)技術を用いている。さらに配信コンテンツの権利保護を確実にするために,専用の再生ソフトを使って視聴する方法を採用していた。2008年10月にはFlash技術を用いて,Webブラウザーで手軽に動画コンテンツを視聴できるサイト「www.joost.com」の運営を開始し,専用ソフトによる視聴と,Webブラウザーによる視聴の両方のサービスを提供していた。

 JoostのKerry Vance氏は専用ソフト向けのサービスを停止する理由として,Webサイト向けの映像配信に注力することで,サービスをより迅速に発展させられると説明した。また,Webサービスの導入によって改善・追加できた機能として,次の点を指摘した。

・Facebookと連携し,友人と動画の共有が可能になった
・ブログで動画を紹介できるようになった
・動画検索に便利な電子番組ガイドの機能を向上できた
・iPhone向けの視聴アプリを提供できた

 P2P技術に関連して同社が持つ特許に関しては,今後応用できそうな用途が見つけられれば,新しいサービスとして活用したいと説明している。