米Microsoftに関する裁判資料が2008年12月15日(米国時間)公開され,「ゲーム用ディスクを傷付ける問題が『Xbox 360』にあることを,同社はかなり以前から知っていた」と判明した。ところが,同社は実施可能と思われる複数の対策を検討しながら,最終的には修理しないことに決めた。

 この資料は,「挿入したゲーム用ディスクがすぐに傷付いて使えなくなるので,Xbox 360は欠陥製品」と主張するXbox 360ユーザーたちによる集団訴訟の過程で明るみに出た。資料によると,Microsoftは2005年のXbox 360発売より相当前から,この問題を知っていたという。

 Microsoftプログラム・マネージャのHiroo Umeno氏は法廷で「これは,われわれのチーム,つまり光学ドライブ・チームが入手した情報です。われわれが(2005年の)9月か10月に初めて気付いた際,ディスクの動きに関する最初の報告を受け,この問題の原因を知りました」と証言した。

 同社がXbox 360を2005年11月に発売すると,すぐディスクの傷に関する苦情が届き始めた。そこで社員による調査チームを現場へ派遣した。そして,Xbox 360本体の向きを変えたり,大きく動かしたりするとディスクに傷が入るとの結論を出した(筆者の個人的経験ではあるが,同社が認めた以外の状況でも傷付く。Xbox 360にはディスクを10枚くらい駄目にされており,本体を移動しなくてもディスクがいつの間にか傷付いている)。

 同社は,この問題について3つの解決策を検討したものの,いずれもコストが高すぎるとの理由で実施を見送った。最終的には,使えなくなったディスクの代替品として同社製ゲームをわずか1枚20ドルで提供する,という対応しかしていない。こうした状況を考えると,Xbox 360用ゲームはゲーム交換保証サービスのあるBest Buyなどの小売店で買った方がよいだろう。

 「このようなディスクの傷はXbox 360以外でも入る」と主張するMicrosoftに対し,原告側の電子機器専門家は「ソニーの『PLAYSTATION 3(PS3)』や任天堂の『Wii』といった競合製品で同種の問題は全く起きていない」と証言している。