写真1 マイクロソフトの佐分利執行役常務
写真1 マイクロソフトの佐分利執行役常務
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写真2 サーバー製品のバンドルでライセンス料を安価に設定する
写真2 サーバー製品のバンドルでライセンス料を安価に設定する
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写真3 EBSやSBSのビジネスに賛同するパートナーの責任者
写真3 EBSやSBSのビジネスに賛同するパートナーの責任者
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 マイクロソフト日本法人は2008年12月18日、中堅・中小企業向けのサーバースイート製品の新版を発表した。ユーザーがインストールしやすくしたほか、製品を別々に購入するよりもライセンス料金を安価に設定しているのが特徴だ。記者会見で登壇した佐分利ユージン執行役常務は「中堅中小企業はITを活用して、この経済状況でのピンチをチャンスに変えてほしい」と言う(写真1)。

 スイート製品のラインは2つある。75ユーザー以下の企業や団体を対象とした「Windows Small Business Server2008(SBS2008)」と、300ユーザー以下に向けた「Windows Essential Business Server2008(EBS2008)」である。SBS2008は従来製品SBS2003の後継で、EBS2008は今回新たに投入するラインである。

 EBS2008はサーバー3台に分けてセットアップする。具体的には、「System Center Essential2007」の管理サーバー、「Exchange Server2007」のメッセージングサーバー、「Forefront Threat Management Gateway」のセキュリティサーバーである。いずれもサーバーOSは「Windows Server 2008」である。一方のSBSは1台にExchange Serverなどを導入する。またSBSとEBSとも、データベースサーバーの「SQL Server2008 Standard」が利用できる上位版を用意している。

 導入コストの面では個別に購入するよりも、EBSで25%、SBSで35%それぞれライセンス価格が安価になるという(写真2)。Windows Server製品部の林憲一マネージャーは「中堅・中小企業はボリュームディスカウントを利用しづらいので、EBSやSBSを割安に設定している」と説明する。手間の面では「個別にインストールすると80時間かかったものが、EBSでは10分の1の8時間で済むという結果が報告されている」(林氏)という。

 SBSは中堅中小企業でも自社でサーバーを導入するケースが多い米国などでは受け入れられたが、日本では成功とは言い難い状況。これに対して佐分利執行役常務は「日本の中堅中小企業はITベンダーに構築を依頼するケースが多い。そこで今回、パートナーとの連携を強めた」と言う。発表会場には、デル、日本IBM、日本ヒューレット・パッカードのサーバー事業、日本ビジネスコンピュータ(JBCC)のパッケージ事業、それぞれの責任者が同席(写真3)。EBSとSBSを利用したプレインストールや構築事業などの施策を説明した。

 マイクロソフトはEBS2008を発表当日の12月18日、SBS2008を2009年1月1日から企業向けに販売を開始する。SBS2008は一般向けに店頭などで2009年1月16日から販売する。