米Yahoo!は米国と英国で現地時間2008年12月17日,サーバー・ログに含まれるユーザーのプライバシ情報の保存期間を90日間に短縮する方針を発表した。新方針の適用開始時期は明らかにしていない。

 保存期間を短縮してサーバー・ログを匿名化することで,ユーザーのプライバシを守る考え。検索サービスのログ・データに加え,ページの表示/クリックと広告の表示/クリックも匿名化の対象とする。ただし,詐欺行為への対策とシステム・セキュリティの確保を目的に,最大6カ月間は一部データを保持する。また,法的な必要性からそれ以降もデータを残す可能性があるとしている。

 90日間という日数は,ユーザーにこれまでと同じ操作性を提供しつつ,広告主にも従来通りのメリットをもたらし,法的な要求にも応えられるバランスの取れた長さという。

 なお,米Googleは9月にサーバー・ログの保存期間を9カ月間に短縮すると発表した。米Microsoftも,欧州連合(EU)の要求に従い「ライバル企業が同じ条件を受け入れるなら保存期間を6カ月間にする」と表明している(関連記事:Googleがログの保存期間を9カ月に短縮へ,プライバシ懸念への対応でMicrosoft,EUの検索データ匿名化ガイドラインを受け入れ)。

 米メディア(InfoWorld)によると,EUの調査委員会は検索エンジンのログ・データを6カ月間で破棄することを提言し,全加盟国27カ国がこの方針を承認した。ただし,規制対象にするかどうかは,2009年以降に協議するという。

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