写真1●2008年に急上昇した64ビット版Windows Vistaの利用率
写真1●2008年に急上昇した64ビット版Windows Vistaの利用率
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写真2●Windows 7における「デバイスとプリンター」の画面
写真2●Windows 7における「デバイスとプリンター」の画面
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写真3●周辺機器ごとにカスタマイズされた「デバイスステージ」
写真3●周辺機器ごとにカスタマイズされた「デバイスステージ」
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 「北米ではWindows Vistaの25%が64ビット版で稼働している。世界全体でも10%弱が64ビット版だ」----マイクロソフトディベロップメントのプログラムマネージャである陣内裕輔氏は2008年12月16日、「WinHEC 2008 Tokyo」の基調講演で、米マイクロソフトが「エラー報告機能」などのネットワークサービスで収集したクライアントOSの利用状況に関する統計を明らかにした。

 マイクロソフトは、Windowsの「エラー報告機能」や「Microsoft Update」などを利用するユーザーのOSのバージョンなどを集計している。陣内氏によると、2008年10月の時点での集計で、全世界のWindows Vistaユーザーの10%弱が64ビット版を使用していることが明らかになったという(写真1)。2008年1月における割合は3%弱であり、2008年に64ビット版が一気に普及したとした。

 マイクロソフトでは2009年にリリースするクライアントOS「Windows 7」や、サーバーOS「Windows Server 2008 R2」で64ビット化をさらに推進する計画で、特にWindows Server 2008 R2は64ビット版しかリリースしない。WinHEC 2008 Tokyoはハードウエア開発者向けの開発会議であるため、「64ビット版のデバイス・ドライバを開発して頂きたい」と陣内氏は強く訴えていた。

 基調講演では、Windows 7の新機能もいくつか紹介した。Windows 7ではスタートメニューから「デバイスとプリンター」を開くと、写真2のようにパソコンに接続されているキーボードやDVDドライブ、メモリー・カード・リーダー、プリンタといった各種周辺機器が、アイコン入りで表示される。プリンタ機能とスキャナ機能、コピー機能などを統合した「プリンタ複合機」も単一のアイコンで表示され、そのアイコンをクリックすると「デバイスステージ」(写真3)と呼ぶ周辺機器にカスタマイズされた画面が表示される。

 デバイスステージは、プリンタなどの周辺機器に関連するアプリケーションやマニュアル、説明ビデオなどへのリンクを集約した画面である。従来、Windows Vistaでプリンタ複合機を利用する際には、それぞれの機能を利用するための専用アプリケーションを、スタートメニューから個別に起動する必要があった。「Windows 7では、周辺機器に関連する情報やアプリケーションが集約できるので、ユーザーの利便性が上がる」と陣内氏は主張した。