景気低迷で企業のIT予算に対する厳しい締め付けが続くなか,米Symantecが「Veritas CommandCentral Storage」製品系列の強化を発表した。同社によると,この機能強化のおかげで企業IT担当者は既存ストレージ・ソリューションにかかわるコストと管理業務を減らせるという。強化点の目玉は,「Storage Change Manager」と名付けられた新たなエージェントを使わないソリューションで,「CommandCentral Storage」にエージェントレス機能を追加するものである。

 Symantecによると「ストレージ・リソース管理作業を効率化する難しさは,組織の規模に応じて異なる。(強化した各種機能により)ストレージ・インフラの予防的な管理が可能となり,ストレージ資産をより活用できる」(ストレージ/可用性管理担当ディレクタのSean Derrington氏)という。

 Symantecは,Veritas CommandCentral Storageを「既存のストレージ・リソース管理技術と,インフラ内のストレージに施された変更を管理する機能とを組み合わせたもの」と説明する。物理ストレージと仮想ストレージの混在する環境にも対応しており,今回の機能強化で「組織内のストレージ全体を一カ所から集中して監視/制御可能となるため,エレメント・マネージャ,特定用途の管理製品,表といった従来の管理ツールよりも包括的,経済的,予防的に管理できる」(同社)としている

 ストレージ変更管理ツールの「Storage Change Manager」は,ストレージ・インフラ関連で発生したイベントの情報を集約できる。IT管理者が利用すると,ストレージに関する変更状況の把握やポリシー/規制対応の強化に役立つ。

 「(IT管理者が)ストレージ・インフラ管理をExcelの表などの静的ツールに頼っている例は多い。この種の静的な管理用レポートは手作業で更新する必要があり,大変な手間がかかる。これは大問題だ」(同社CommandCentral担当上級ディレクタのYogesh Agrawal氏)

 機能強化された新版の「Veritas CommandCentral Storage 5.1」は,すでにリリースされている。価格は約2万ドルから。