図1●今回の接続試験の概要。一つのASONドメインと二つのGMPLSドメインを介して,VLANによるイーサネットVPN回線を自動的に設定する。そしてDVカメラの映像をVPN回線を経由してディスプレイに伝える。さらに,イーサネットVPN回線を自動的に解除するという内容である
図1●今回の接続試験の概要。一つのASONドメインと二つのGMPLSドメインを介して,VLANによるイーサネットVPN回線を自動的に設定する。そしてDVカメラの映像をVPN回線を経由してディスプレイに伝える。さらに,イーサネットVPN回線を自動的に解除するという内容である
[画像のクリックで拡大表示]

 情報通信研究機構(NICT),慶應義塾大学理工学部情報工学科山中研究室,KDDI研究所は2008年12月15日,通信事業者間の光ネットワークで回線を自動設定するプロトコル「GMPLS RSVP-TE」(generalized multi-protocol label switching resource reservation protocol traffic engineering extension)によるイーサネットVPN自動設定技術を開発し,それを使った相互接続実験に世界に先駆けて成功したと発表した。

 通信事業者のバックボーンを構成する光ネットワークのアーキテクチャには,ITU-T標準の「ASON」(automatically switched optical networks)とIETF標準の「GMPLS」(generalized multi-protocol label switching)の2種類がある。これらを相互接続するためにはGMPLS RSVP-TEを利用するが,イーサネットVPNを接続するための仕様の規定がなく,異なるアーキテクチャの通信事業者間ではイーサネットVPNを自動設定で相互接続することが難しかった。

 今回,3者がGMPLS RSVP-TEに独自拡張を加え,異なるアーキテクチャの通信事業者の光ネットワーク間で,イーサネットVPNの回線を自動設定できるようにした(図1)。この技術によって,複数の通信事業者にまたがる世界規模のイーサネットVPNが構築できるようになるという。

[発表資料へ]