米連邦通信委員会(FCC)は米国時間2008年12月12日,高度無線サービス(AWS:Advanced Wireless Services)周波数帯の競売に関するミーティングの延期を発表した。新たに競売を行う2.1GHz帯は,落札者に高速無線ネットワークの開放を義務づける規定が盛り込まれている。

 FCCの方針では,2.1GHz帯(2155~2180MHz)に関して,ネットワークの最大25%を無料の双方向インターネット接続サービスに使用することなどを条件に設定し,落札者にライセンスを認可する。6月にオークション規定案への意見を募集する通知(Further Notice of Proposed Rulemaking)を交付しており(関連記事:FCC,無線ネットワークの開放を義務づける2.1GHz帯をオークションへ),12月18日のミーティングで競売計画について投票を行う予定だった。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,米商務長官のCarlos Gutierrez氏がFCCに書簡を送り,現政府がネットワーク開放の条件に異議を唱えていることを伝えたという。また,ドイツT-Mobile Internationalの米国法人T-Mobile USAなどのキャリアも,干渉の問題があるとして反対している。なおT-Mobile USAは,42億ドルを投じて,隣接する帯域を2006年に取得している。

[FCCのミーティング延期告知(PDF書類)]