米国イリノイ州の地上波放送事業者などで組織する「Illinois Broadcasters Association」(IBA)は2008年12月11日(現地時間),FCC(米連邦通信委員会)の協力を受けて2008年12月17日に,シカゴ地区でほぼすべての放送事業者が参加するデジタル放送の受信確認試験を行うと発表した。2009年2月17日に米国で予定されている地上アナログ放送の終了に備え,視聴者にデジタル放送への移行を促すのが狙いである(発表資料)。

 確認試験は2008年12月17日の午後5時台,同6時台,同10時台に,事業者ごとに実施する。試験時間はそれぞれ5分間で,地上アナログ放送を受信中のテレビ画面全体にデジタル放送に対応していないことを文字で表示し,デジタル放送の移行に必要な情報を提供する。デジタル放送を受信中のテレビ画面には,デジタル放送に対応していることと,家のほかのテレビがデジタル放送に対応しているかどうかの確認を求めるメッセージを表示する。

 最近の調査によると,米国のほとんどのテレビ視聴者は2009年2月17日にアナログ放送からデジタル放送への移行が行われることは知っているものの,多くの人が「テレビを見続けるためにしなければならないことがたくさん残っているのではないか」と心配しているという。また,調査会社の推計によるとシカゴ地区には,地上波テレビ放送だけを視聴している家庭がおよそ30万世帯ある。

 今回の確認試験は2回目で,2008年11月12日に実施した1回目の試験では,視聴者から1万3000件の問い合わせがあり,完全デジタル化に向けて視聴者の認知度を高めるための取り組みがさらに必要な実態が明らかになった。この結果を受けてシカゴ周辺の放送事業者は,引き続きデジタル放送に対する認知を高めるために結束して取り組むことにした。2009年1月には,3回目の確認試験を予定している。