楽天,ヤフー,医薬品ネット販売推進協議会,NPO法人日本オンラインドラッグ協会,社団法人日本通信販売協会,インターネット先進ユーザーの会による一般医薬品の通信販売継続を求める共同記者会見
楽天,ヤフー,医薬品ネット販売推進協議会,NPO法人日本オンラインドラッグ協会,社団法人日本通信販売協会,インターネット先進ユーザーの会による一般医薬品の通信販売継続を求める共同記者会見
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 楽天,ヤフー,ネット販売業者の団体などは2008年12月11日,医薬品の通信販売継続を求める要望書を厚生労働大臣 舛添要一氏に提出した。提出したのは楽天,ヤフーのほか,医薬品ネット販売推進協議会,NPO法人日本オンラインドラッグ協会,社団法人日本通信販売協会,インターネット先進ユーザーの会。

 厚生労働省は,第1類医薬品および第2類医薬品のネット販売を2009年6月から禁止する意向を打ち出している。楽天,ヤフーなどはこの規制に反発し,ネット上での署名運動などを行っていた(関連記事:「医薬品販売を巡りネットショップvs厚労省のバトルが勃発」「コンビニOK,ネットNGの怪! 薬販売にネット規制の網」)。

 提出後,楽天,ヤフーおよび各団体が行った記者会見で,楽天 執行役員渉外室室長 関聡司氏は,「通信販売の規制は厚生労働省が独自で定める省令に基づくもの。法律にも付帯決議にも盛り込まれておらず,検討会にも通信販売業者は含まれていない」と述べ,「通信販売は配送先を記入する必要があり,トレーサビリティという点では対面販売より優れている」と主張した。

 さらに同氏は,2008年11月13日から楽天サイトで展開した規制反対の署名運動で10万人の署名と4000件のコメントが集まったと述べ,「内地まで船で25時間かかる離島に住んでいる」「一人暮らしの重度身体障害者で,多発性筋炎による車椅子生活を余儀なくされている。ネット販売に頼らざるを得ない」「紫外線アレルギーのため外出が困難」といったコメントを紹介した(関連記事:医薬品ネット販売規制に反対する楽天のネット署名が10万人突破)。

 日本オンラインドラッグ協会 理事長 後藤玄利氏は,ビデオで利用者や薬局の声を紹介した。漢方薬のネット販売を行っているという,ある薬局の薬剤師はビデオで,「ネット販売が禁止されればつぶれる薬局も出てくる。規制に関して具体的な議論,審議が行われていない。今から議論してルールを構築してほしい」と要望した。

 ネットで購入した医薬品による副作用が1件あったという報道に関し,日本オンラインドラッグ協会 事務局の倉重達一郎氏は,「副作用発生当時,薬品の『使用上の注意』に該当する副作用の記載はなく,どのような販売方法であれ,回避することは難しかった」という見方を示した。同報道は,2007年8月に,ネットで「カシュウ」を主成分とする医薬品を購入した女性が肝障害で2~3週間入院したというもの。

 ヤフー CCO兼法務本部長 別所直哉氏は,「医薬品は必ず副作用を伴う。だから情報提供がない医薬品販売はあり得ない。例えばWebであれば画面遷移まで踏み込んで,情報提供のあり方を一般店舗も含めて議論すべきだ」と述べた。

◎関連リンク
一般用医薬品の通信販売の継続を求める要望書(PDF文書)

■変更履歴
記事公開当時,本文最終段落で別所直哉氏の役職を「COO」としていましたが,これは「CCO」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。[2008/12/12 14:15]