「ノート・パソコンの携帯性など,壁に付いているコンセントと同じ意味しかない」と感じたことがあるはずだ。ノート・パソコンのバッテリ駆動時間は,たいていのモデルでメーカー公称値はが2~4時間となっているが,実際にはそれより短いように思える。ノート・パソコンが古くなるほど(さらにバッテリ駆動する機会が多ければ多いほど),バッテリのパワーが落ちてしまう。注意して使わないと,バッテリ自体が壊れることもある。そうなると,新しいものを買うか,生活必需品であるACアダプタを持ち運ぶか(読者がACアダプタを必要としなくても,ノート・パソコンには欠かせない)の二つに一つしかない。

 だが,ここにきて米Hewlett-Packard(HP)がこの状況をすっかり変えるか,最低でも改善してくれそうになった。同社は,2009年より一部ノート・パソコンで「Sonata」と呼ぶ新型リチウム・イオン・バッテリを採用する。Sonataは米Boston-Powerの製品で,米国(いや,恐らく全世界)のノート・パソコンに搭載することができ,バッテリ駆動時間を大幅に延ばせる。

 両社は驚くようなデータを公表した。Boston-Powerによると,Sonataの性能はバッテリ駆動時間が4時間以上,30分で容量の80%まで充電可能,充放電可能な回数は最大1000回という。平均すれば,Sonataは1回の充電で現在の一般的なバッテリより2倍長持ちし,寿命が3倍も長いことになる。

 HPは,Sonataをノート・パソコンのオプション品として1個20~30ドルで販売する。Sonataに対応するノート・パソコンの具体的なモデルが判明したら,改めて記事でお知らせする。当面は,HPのWebサイトに掲載される情報を追いかけよう。