写真◎東京・六本木にある日本IBMの本社ビル~すでに住友不動産に420億円(土地を含む)で売却済み。本社機能は近々箱崎ビルに移す(写真:柳生 貴也)
写真◎東京・六本木にある日本IBMの本社ビル~すでに住友不動産に420億円(土地を含む)で売却済み。本社機能は近々箱崎ビルに移す(写真:柳生 貴也)
[画像のクリックで拡大表示]

 日本IBMが2カ月ほど前から進めていた人員削減プログラムが取りあえず終わった。2008年12月8日付で人事担当役員から各ラインに退職勧奨の停止指示が出たもよう。日経コンピュータの調べでは、1万6000人いる社員の8%に当たる約1300人が応募した。内部目標は最低1000人、最高2000人だった。

 本誌の問い合わせに対して、日本IBM広報は「答えられない」としている。

 応募者は原則、年内で退社する。すでに一部では引き継ぎ準備が始まった。今のところ粛々としているが、今後プロジェクトの現場が混乱する恐れもある。

 情勢を考慮すると、2009年以降、第2弾、第3弾の人員削減プログラムが発動される可能性は否定できない。「IBMのグローバル基準で考えたとき、日本法人の適正規模は1万2000人」との指摘もある。

 今回の人員削減は日経コンピュータが2008年11月13日付の記事で特報。その後、一般紙・誌でも広く話題になった。景気後退による雇用調整が正社員に広がる動きの象徴とする向きもあり、12月5日には国会質問で取り上げられるまでに至った。

 業績評価制度「PBC(Personal Business Commitment)」の評価に基づき、1万6000人の社員から候補者を選定。最大で15カ月の退職金上乗せや再就職あっせん会社の紹介といった条件を提示して退職を勧奨していた。その過程では一部ライン管理職が退職を強要する行為があったとの訴えもある。